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この記事は8月17日の内容です。
向こうにも石柱が数本立っていた。あの場所には、ローマ時代そしてビザンツ時代に大きな建物が立っていてそこのプールは街の魚市場として利用されていたと言う考古学者の説がある。
帰路は競馬場の丘の上を歩く。
柵も何もないので、子供連れは注意が必要。丘の上にも巨大な遺跡。
排水口など下水道施設跡が特徴的な遺跡だ。
ところどころにこのような円柱が転がっている。
通路にはモザイク。
これは比較的立派な通路跡地。
モザイクの模様が可愛らしい。
無数の部屋があった様子がわかる。この遺跡郡の向こうに広がるのは、
一目見て、これが何かが理解できる特徴的な遺跡群。これがローマ公共風呂だ!
現在でも使えそうな浴場床。
ところどころに細かいモザイクがある
見ているだけでも楽しい浴場。
巨大な円柱と
ツルツルの床。まさに大浴場だ。
古代ローマの公衆浴場 - Wikipediaja.wikipedia.org/wiki/古代ローマの公衆浴場屋根がついている場所は、Bathhouseと呼ばれる場所。
バルネア (balnea)またはテルマエ (thermae)とは、古代ローマの公衆浴場である。 古代ローマの多くの都市に少なくとも1つの公衆浴場があり、社会生活の中心の1つになっていた。古代ローマ人にとって入浴は非常に重要だった。彼らは1日のうち数時間を ...
久しぶりに銭湯に来た気分。
床に一際大きくて美しいモザイクがある。
まさに映画テルマエ・ロマエの世界だ。
あちこちに浴場の排水設備跡がある。あとで紹介するが、この浴場に必要な大量の水は、導水橋で9km離れたカラメル山から調達していたそうだ。どれだけこの浴場に技術とお金を注いでいたのか!!
浴場の横には横穴。ここは商業地区と官庁地区。
この場所は、食堂(Tavern)があった場所。
この場所にローマから遣わされたユダヤ総督が滞在していた。当時、繁栄の絶頂にあったカイザリアに代々の総督が居を構える。
この区切られた浴場は、高官用の浴場。イエスの裁判をしたポンテオ・ピラトもここに住んでいたと記録されている。
彼の名が刻まれた石版もこの場所から見つかり、現在、それはイスラエル博物館で展示中。
豪華なモザイクの数々
この丸い部屋の床には、
今も文字がはっきり確認できる。
以上で有料エリアの遺跡群は終了。橋を渡って、
ショッピングエリアに戻る。キリスト教徒にとってカイザリアは、使徒パウロがローマ宣教に旅立った基地として重要な聖地。キリスト教の力が強まった4世紀頃には神学学校が建立され、その後もキリスト教の中心都市として繁栄する。
芝生の向こうの丘には豪華なアウグストゥスの神殿が立っていた場所。1251年にマムルーク朝の攻撃に備えて十字軍はこの地に要塞を造設。その後、この街は放棄されたが19世紀になってボスニアからのムスリムによって再建された。
この芝生でウェディング写真を撮っていた。
それにしても新婦は暑そうだ。
女の子は、元気に走り回っている。
様々な宗教と歴史が折り重なるこの場所も現在は、ちょっとしたオシャレなショッピングモールになっている。
ヤッフォでお馴染みの初代ローマ教皇になったペテロもこの港から布教の旅で出る。ちょっと暑いので、アイスクリーム屋さんで休憩。
お店は大繁盛。
美味しそうなアイスクリームが並んでいるが、
私はフローズンヨーグルトをチョイス。
たっぷりフルーツを載せてもらった。これは癖になる美味しさだ。
フローズンヨーグルトを食べながら、涼んでいると駐車場からまた新婦が登場。彼女も暑そうだ。
それにしても中東系の女性はドレスがよく似合う。まるでディズニーのキャラクターのようだ。
この辺りの遺跡群の見学は無料。
テルアビブの自宅から車で40分ほどの場所なので、車を所持したらたまに来たい場所の一つだった。
テルアビブに帰る前にちょっと寄り道。
海岸そばの駐車場へ。
駐車場の向こうに一直線に連なる線が見える。
これがカイザリアに水を引く導水橋の一つ。
さらに駐車場と海岸の間に大きな建造物が見える。
これも水が少ないカイザリアに水を供給した導水橋。
9km先のカラメル山から水を運ぶ貴重な水通路だ。アーチ状分にある溝に直径17センチの陶器製の水道管が通っていたと推測されている。
導水橋のアーチをくぐると、
美しいビーチが広がる。地元の人達が海水浴を楽しみ中。
この向こうには先ほど見てきたカイザリアがある。
ローマ時代の建築物を代表する導水橋。
石の積み方が、その技術力が素晴らしい。
本国から離れたイスラエルの地でも、ローマ帝国の力はまったく衰えていなかったことが分かる。
すでに夕方。高速道路を南に進路をとり、テルアビブに向う。今日は土曜日、明日、日曜日はイスラエルでは平日なので、土曜日の夕方は道が混む。
それでも時速70-80kmで走れるのが、日本と違うところ。まもなくテルアビブに到着。数千年の歴史を持つ遺跡もあれば、モダン建築だらけの近代都市もあるイスラエル。この観光資源に引けをとらない国はそうはないだろう。
自宅コンドに戻り、4基あるエレベーターのひとつは自動的に各階止まり。土曜日は安息日のため、エレベータースイッチを押してはいけないためだ。
カナダからイスラエルに来て、すでに一ヶ月近く経過。生活はだいぶ慣れてきたがたまに思うのは、この国・イスラエルはとてもユニークだということだ。