この狭いゲートの中へ人が吸い込まれていく。この先に世界12億人とも言われるキリスト教信者が一度は訪れたいと思う部屋がある。
屋根に十字架がなければ、ここが教会だと気付かないほど巨大で古い石造りでごく普通の建物。これが世界で最も有名な教会のひとつ、聖誕教会だ。
まさかコレ?
女性でも屈んで入らなければならないほど、小さな入口だ。この小さな入口は「謙虚のドア」と呼ばれている。よく見ると、小さな入口の外側に大きな入口跡がある。現在の教会は十字軍時代に修復されたもので、外敵の侵入を防ぐ目的(馬に乗ったまま教会内に侵入できないよう)でこのような小さな入口になったとも言われている。
小さな入口を入ると、小さな小部屋。さらに向こうに今度は立ったまま入ることができる入口がある。
その門をくぐると、巨大な聖堂。
天井からは金属製のランプがたくさんぶら下がり、
床には穴が開いている。その中にもモザイク。これはこの教会を建設した当初のモザイク。
聖誕教会はローマ帝国のコンスタンティヌス大帝により325年に建設。その後、6世紀の火災で教会は焼失したが、このモザイクだけは損傷を逃れた。
そのモザイクが非常に保存状態が良いまま現在も残っている。
大聖堂の左右には、二本ずつ大理石の太い柱が並ぶ。
その一本に十字型に4箇所、穴が開いていた。
大きく拡大。なんでだろうと思っていると、、、、敬虔な女性信徒がその穴に指を入れ、
祈る。指を添えて、大理石に穴が開くとは!!!いったい何人の信者がここでこうして祈ったのだろう。
正面の祭壇。
無数のランタンがぶら下がる祭壇。
大勢の人が列を作って並ぶ。
世界中からキリスト教信者と観光客が押し寄せるので無理もない。まだ午前中なので、この込み具合ですんでいる。これが午後になるとかなりの長い列になるらしい。
大きな天井は、木造だった。
壁の古い壁画
祭壇とは反対側の入口の壁。
徐々にだが、前に進む列。
ロシア人と思われる女性たちが、経典のようなものをじっと読んでいる。だいぶ前のほうに来たが、後に並ぶ人がどんどん多くなる。
入口の上に掲げられた絵。暗くて見えにくい。イエスの両親であるヨセフとマリアはもともとガリラヤ地方のナザレに住んでいる。ルカによる福音書によると、ヨセフとマリアがベツレヘムに来た理由は「人口調査のため」としている。ちなみにここベツレヘムは父親ヨセフの故郷。ヨセフは身重のマリアを連れて、宿を探していたが見つからず、その間にマリアはイエスを出産したとされている。
たくさんの絵があちこちに飾られているが、当然ながら聖誕の絵ばかりだ。
あと少しで入口に入ると思いきや、まだ奥に部屋が続く。
祭壇横にある小部屋内に入る。
ここで女性信徒が買っているものは、ロウソクだ。一本15シュケル(約420円)。
窓から日光がまるで映画のように降り注いでいた。
小部屋の横には、
祭壇がある。
祭壇のランプは非常に豪華だ。
列の右手には、小さな絵がある。
これもイエスが産まれたときの絵。
横には、POOR BOX。貧困に悩む人への寄付金を募集中。
先ほど買ったロウソクをともす信者達。
非常に幻想的だ。
小部屋の置くにもたくさんの絵が飾られている。
中でもこの真ん中の聖母子絵の前では、
絵に額を寄せて祈る人や
持参のイコンを絵に掲げる信者もいる。
この絵の左上の子供達の顔が
なんとも微妙だと思うのは、私だけでしょうか。
この小部屋の左、ちょうど祭壇の真下に当たる部分に小さな入口がある。
この入口の上には、顔のない聖母子像がある。
この小さな入口の中に人が吸い込まれていくようにゆっくりと入っていく。
入口の前は、下り階段があるのだが人が多すぎて足元が見えない。非常に危険だ。
ゆっくりと入口へ進む。入口の大理石にも十字が刻まれていた。
入口の中は薄暗い。周りを布に囲まれた短い階段通路を下りる。
すぐそこに空間が広がっている。
やがて女性の歌声が聞こえてきた。内部の様子は動画で。
階段を降りると、右手にあるのが
小さな祭壇。
まるで暖炉のような祭壇に二人ずつひざまずき祈るところにあるのは、
金属製の星型がある。これが「ベツレヘムの星」だ。まさにこの場所でイエス・キリストが生まれたと言い伝えられている。この星には、「ここにてイエス・キリストは産まれたまえり」とラテン語で刻まれている。
祭壇の部屋にもたくさんの絵が飾られている。かなり暗い。
イエス聖誕の地をこの教会の地下洞窟としたのはローマ帝国のコンスタンティヌス大帝の母へレナ。325年に建立され、約200年後にユスティニアヌス大帝によって改築をされた。
絵の一部を紹介。
この部屋の更に下にも小さな祭壇があった。
小さなこの部屋がまさに西暦の起源。そう考えると感慨深い。
祭壇で次々と祈る信者達。
中には写真を撮るためだけに並ぶ人もいる。
真ん中の空洞は浅くて、底と穴の周辺の壁はゴムのような感触がする。
この星は東方の三人の博士がイエスをひとめ拝もうと星に導かれてベツレヘムにやってきたという逸話にもとづいたもの。祭壇上のライトも星型だった。ちなみにクリスマスツリーの頂上につける星も、この星に由来がある。
こうしている間にも次々と信者たちが祈りを捧げている。
イエス聖誕の部屋のすぐ横に出口がある。
入口の形状は人に紛れてよくわからなかったが、出口と同じ形だ。出口のすぐ上は、聖誕教会の祭壇がある。
ここにも絵が飾られ、
小さな祭壇がある。
大聖堂の出口から、
通路を進む。
美しい回廊の正面に
フランシスコ派修道院聖カテリーナ教会がある。
正面広場に立つ男性の像は、聖書学者ヒエロニムス。ヘブライ語の聖書をラテン語に翻訳した学者だ。
よく見ると足元にガイコツがある。これは翻訳作業をするヒエロニムスをサポートしたローマ人女性パウラの頭蓋骨。パウラの死後、ヒエロニムスは彼女の骨をそばにおいて作業を進めていたと言われている。
教会内へ。ここが毎年12月24日のクリスマスイブのミサのテレビ中継が行われる場所だ。
この教会の地下には洞窟があり、ヒエロニムスはこの洞窟で翻訳作業をしてカトリック公認聖書「ブルガタ版ラテン語聖書」が完成。この偉業でキリスト教が世界に広まったと言われている。
再び、回廊から出口方面へ。
大きな騎士の像の前は、記念撮影スポット。
そしてここが聖誕教会、そして聖カテリーナ教会の出口だ。
時間はまだ11時50分。少しお腹が空いたので、ランチをとる。
ランチのあとは、マリアの母乳で白く染まったといわれるミルク・グロットへ行く・・・・
次回へ続く・・・・・