レバノンとの国境から数百メートル付近。敵国同士で睨み合うこの地にあるのは、イスラエル版「青の洞窟」。いつかこの場所をイスラエル人とレバノン人の観光客が訪れる日は来るのだろうか・・・
ISUZU自動車のトラックを見ると、お相撲さんのイラスト。2006年6月の佐渡ヶ嶽部屋のイスラエル巡業の影響は未だに顕在だ。
自宅そばの交差点で、歩行者用信号が破損。昨日の夜からこの状態だが、いまだにそのまま。日本ではありえない光景だ。ディゼンゴフ通りを直進。
そこにモニュメントを新たに発見。ここでも自爆テロが発生したのかと思ったら、英語の説明書きがあった。1942年1月27日にこの場所でLEHI(イスラエル解放戦士団)の将校2名がイギリス軍に殺された。
やはりこのモニュメントがある場所は、物騒な事件が多い。
今日もTel Aviv Ha Shalom駅へ。
近代的で美しい駅だ。シリア情勢が緊迫する中でもいつもどおりの光景。ただし駅構内に入る入口では、まるで空港でのチェックのように荷物はX線で透視され、金属探知機ゲートに入る必要がある。これもシリア情勢に関係なく、普段から厳しいチェック体制が引かれている。
今日はイスラエル北部に移動。Naharia行きの列車がホームに到着。予め、Israel Railwaysのホームページで時刻表をチェックしているので、ヘブライ語が読めなくても問題なし。
列車内は大混雑。今日は日曜日で週の始まりだからだろうか。イスラエル軍の兵隊さんが非常に多い。
かなり疲れているのだろう。女子大生くらいの女性兵士が疲れて座り込み、いつの間にか熟睡していた。
1時間45分ほどで終点ナハリア駅に到着。ホームは、大勢の兵隊でいっぱい。
駅のすぐそばにあるバスターミナルへ移動。
バスも予め、ホームページでチェック済み。バスの時刻表はbus.co.ilで簡単に調べることができる。
33番バスと32番バスが目的地に行くバスだが、33番バスでは目的地まで1時間くらいかかるとバスの運転手に言われる。そこで32番バスに乗り込むことに・・・。兵士たちも同じ目的地に行くようだ。
兵士たちはマイ機関銃を持って、バスにも鉄道にも普通に乗り込む。この光景にもだんだん慣れてきた。
バスはいたって快適。
閑静な住宅街を通過中。
大きくて立派な家が多い。
これはバナナ農場。
バナナは青いカバーに入れられ、大切に育てられている。
山が見えてくる。まもなく目的地だ。
ナハリア駅から30分くらいで目的地に到着。まだ車を持っていないので、今のうちにバスや電車に乗ってプチ旅行を楽しむ。
一緒にバスに乗ってきた兵士たち。女性兵士たちもたくさんいる。皆、18-20歳くらいの遊びたい盛りの年頃。イスラエルでは18歳以上の男性は36ヶ月間の兵役義務、女性も21ヶ月の兵役義務がある。
高台から眺める美しい海岸線。
海岸のすぐそばにいるのは、
イスラエル海軍の駆逐艦だ。
バス停から坂を上る。
まるで学校の遠足のような光景だが・・・・・
この場所は・・・レバノン(地図の上部分)との国境から数百メートルしか離れていない場所。
レバノンとイスラエルに国交どころか、敵国同士。仮想敵国ではなく、いつ戦闘になってもおかしくない敵国だ。こんな最前線に、あのようなまだ可愛らしさが残る女性兵士たちが配備されるとは・・・・。
上り坂の横にある遊歩道。
この歩道を進むと、まもなく入口がある。
大人一人40シュケル(約1120円)を払い、ロープウェイに乗る。
ロープウェイの動画を撮影。
洞窟への入口がある。ここがイスラエルの「青の洞窟」と呼ばれるRosh HaNikra(ローシュ・ハ・ニクラ)だ。
Rosh-Hanikra - Grottoeswww.rosh-hanikra.com/sitepage.asp?p=2&lan=engこのページを訳すIt all began with a series of underground shocks that ripped gapes into the bedrock. Rainwater penetrated the gaping rifts, dissolving them and forming within tunnels and seacaves (grottoes) that relentlessly proceeded to expand because of ...
洞窟に入って、間もなく右手に階段がある。この先に青く輝く場所が、
この洞窟のメインだ。美しく青色に輝く海。
さんさんと入り込む日光。
非常に美しい自然の絵画のようだ。
ただしトンネル内は、波による水しぶきと暑い気温で非常に蒸し暑い。まるで蒸し風呂のようだ。
外に出ると、非常に涼しく感じる。
白い崖が海に入り込む。
イスラエルで唯一、崖がそのまま海に続く場所とのこと。
青い地中海も美しい。
ローシュ・ハ・ニクラの入り口から出口まで動画で撮影をした。
とりあえず左に行くと、ロープウェイ乗り場。
さらにその先にまたトンネルがある。
天然のクーラーで非常に涼しい。この場所には休憩所がある。
そしてトンネルの床には、鉄道のレールがある。このトンネルはイギリス軍が作った鉄道用トンネル。トルコからレバノンを通って、イスラエルへ。そして更にエジプトまで続く夢のような鉄道路線がイスラエル建国前に存在していた。
トンネルの先は、ショートムービー会場。
クーラーが効いていて、非常に快適だった。ここで洞窟とトンネルの歴史を紹介。トンネルはイスラエルによって爆破され、いまは通り抜けることはできない。いつかこの土地が平和になったら、この夢の鉄道がまた開通することはあるのだろうか・・・。
ショートムービーを見た後、再びロープウェイで
上へ。
再び、この光景。何度見ても絶景だ。
歩道を歩き、バス停に行くも、バスはまだ来ないようだ。そこで兵士たちが上って行った坂を上る。
ここにも見晴らし台がある。
その先には軽食レストラン。
そしてその先は、行き止まり。正確にはイスラエル軍の対レバノンの前線基地。レバノン南部はヒズボラの勢力地域。ヒズボラはイランの支援で強力は火器を持つ危険な存在だ。
軽食レストランの壁にレバノンの首都ベイルートまでの距離が120kmと書かれている。車なら一時間ちょっとの距離だ。
アメリカがシリアを攻撃すれば、シリアとイランはイスラエルに報復すると公式に発言。イランは支援しているヒズボラにイスラエルを攻撃させるかもしれないので、戦闘前にこの場所に来た。一度、戦闘が始まるとこのエリアはさらに危険な地区になるので、私がイスラエルにいる間は二度とこの場所に来ることができなくなる可能性が高い。
帰りのバスが到着。
この場所が、あと数日後に戦闘のまっただ中になっているかも知れない。バスから海岸を眺める。
この辺りは綺麗に整備され、非常に美しいエリア。数日後に戦闘があるかもしれないとは、考えられない。
帰りは、非常にスムーズ。ほぼ直行便のような感じで15分くらいでナハリアに到着。
ちょっと遅めのランチをとるため、街を散策。
ここはレバノンに一番近い大きな都市。1934年にドイツからのユダヤ人帰還者が作った街だ。
テル・アビブ同様、シリアにもレバノンにも近い場所にも関わらず、街にはこれから始まる戦闘の緊迫感はない。
あちこちにオシャレな植裁がある
「地球の歩き方 イスラエル」で紹介されているレストラン・ペンギン。確かに良さそうなレストランだが、今回はパス。
街の中心道路の真ん中には、
小さな小川が流れる。
ちょっとした広場に見慣れた銅像。ヤッフォにあるイラナ・グール博物館でも同じものを見た。やはりイラナ・グールさんの作品だった。
トリップアドバイザー(ナハリア)のレストランランキングで1位のレストランがコレ!何となく日本の名前っぽいレストラン・Idaだ。
レストランは閉まっているっぽい。店内を覗くと、店員が出てきて今週中は工事中とのこと。
Idaの横には中華レストランもあるが、イスラエルの中華レストランは毎回外しているので、今回もパス。
そのまま海に向かって歩いていると、通りすがりの男性が何を食べたいのか質問してきた。
「トリップアドバイザーで人気No.1のIdaで食事をしたかったけど、他の店は知らない」と答えると、男性は「IdaはもちろんNo.1さ、だって僕の店だもん」・・・・。非常に気さくで楽しいIdaのオーナーだった。
彼が進めてくれたのは、開店して間もないレストラン。「美味しいかどうかわからないけど、オープン下ばっかりだからフレッシュだと思うよ」と何とも適当なアドバイス。
結局、Idaのオーナーに言われるまま、そのレストラン Captain Hook Restaurantでランチをとる。
場所は、ナハリアの中心道路ぞいで海岸すぐそば。
開店間もないためか?、もしくは日曜日の今日は平日一日目だからだろうか?、お客は僕だけ。
愛想の良いサーバーに進められるままサラダを注文。やはりここはイスラエル、非常に美味しい。
レモネードはピッチャで注文。この大きさで22シュケルだ。
チキンのキノコクリームソース。「肉(親)とミルク製品(子)を同時に食べてはならない」というユダヤ教の戒律には反する組み合わせ。私はユダヤ教信徒ではないので、お構いなし。味は、超絶品だった。
そして大きな魚料理も搭乗。これも非常に美味しい!!
Idaのオーナーは恐らくこのお店のことは、熟知しているに違いない!それにしても美味しいレストランだった。ナハリアに行くときは、ぜひオススメのレストランです。もちろんIdaもお忘れなく・・・
Captain Hook Restaurantの前は駐車場を挟んですぐビーチ。
ただしビーチで泳ぐ人はいない。
ビーチを歩いていると向こうの方に、わずかにビーチを楽しむ人達がいた。
ナハリアのビーチは閑散としている。
ここでも白と黒のコントラストが面白いカラスがいた。英名・Hooded Crow(和名・ハシボソガラス)の種類でズキンガラスというカラス。良く見ると、確かに白いずきんを着ているように見えるが、僕はペンギンガラスと読んでいる。
お店はオープンしているものの、お客さんはいない。
日本人の評論家がYahoo!ニュースで「現在、シリア情勢が緊迫し、イスラエル人が海外にいる親戚や家族の元へ避難している」とコメントしていたことを思い出す・・・・・、これがそういうことかと思ってしまうような光景だが、、、、
ユダヤ教では9月5日(2013年:毎年、日が変わる)が新年に当たる日。そのため、9月4日の大晦日?から土曜日まで連休になる。さらに9月はユダヤ教の教義で祝日に当たる日が半月以上を占める。そのためイスラエル人は避難(エバキュエーション)ではなく、海外にバケーションに行く人が多い。
確かにこのタイミングで空港が混雑してイスラエル人が海外へ飛ぶ光景を見れば、ユダヤ教に無知な人はまるでイスラエル人が避難しているように見えるのだろう。
ビーチ沿いにはこのような高級住宅が並んでいる。
豪邸ばかりだ。
再びメイン通りを通って、ナハリア駅に向かう。
あちこちに旗が立てられ、ナハリア市と姉妹都市の看板がある。やはりドイツとの姉妹都市が多い。ドイツは大好きな国なので、ちょっと嬉しい。
ナハリア駅に到着。この駅はイスラエル鉄道の終着駅。
イスラエル建国前は、さらにこの椰子の木から先、そして先ほど見たロ-シュ・ハ・ニクラを超えて、トルコまで線路が続いていた。ナハリア駅正面で荷物のX線チェックと金属探知機ゲートを抜ける。
こじんまりした可愛い駅だ。
始発駅なので、乗客は少ない。
次の駅はAKKO。大観光地で人も多い街なので、大勢の乗客が乗り込んできた。
ナハリア駅から1時間40分くらいでTel Aviv HaShalom駅に到着。
この駅から歩いて自宅へ。帰宅途中のディゼンゴフ通りで、ロシア系スーパー・Tiv Taamのミニ店舗を見つけた。このお店は、年中無休で24時間営業だ。ロシア系スーパーなので、豚肉も売っている。
そしてエビも売っている。オタワ(カナダ)でよく食べていたエビフライがあった!
そして日本米AKITA COMACHIもあるが・・・・・これは「秋田こまち」にはほど遠いので要注意!!
今日も楽しい一日だった。こんな平和な日はいつまで続くのだろうか?
今月9日までにアメリカの議会はシリア攻撃の賛否を決議すると発表されている。